DERMATOLOGY
皮膚病はたくさんの種類があり、500種を軽く超えます。外的因子、内的因子、加齢からくるものなど、多種多様です。まだ原因のつかめていない疾患も存在します。そのため、決定的な治療法が無い慢性疾患も多いです。
スキンケアや外用療法、内服療法等を個々のケースに応じて適切に行うことによって、良い状態を保ち、皮膚病と上手につき合うお手伝いをいたします。
皮膚病はだれでも目で症状を見たりすることができるので、治療による結果がすぐわかります。御一緒に治療をさせていただければ幸いです。
Major diseases
「原因不明、病名不明のかゆい皮膚病全て」を湿疹といいます。湿疹でも特に特徴的な発疹の形を示すものには、それぞれ病名がついています。アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹などです。主にかゆみを伴い、赤み、小さな水疱、プツプツができます。外来治療において一番多い疾患ですが、まずは本当に湿疹以外の病気がないか診断してから、主にステロイド外用剤を使用いたします。
原因としては化粧品、毛染め料、香水、アクセサリーの金属、ゴム製品や皮革の加工に使われる化学物質、植物、果実、外用薬・消毒薬・点眼薬など、身のまわりにある無数のものがあります。皮膚に直接ふれることで生じます。
当院では日本人に多い原因物質をパッチテストにて検査できます。原因と思われる物質を皮膚に貼りつけて反応を見ます。
アトピー性皮膚炎は乳児から成人までどの年齢層にもみられます。繰り返す慢性の湿疹と皮膚の乾燥が特徴的な皮膚疾患です。
アトピー素因のある人は、アトピー性皮膚炎になりやすい体質といわれています。アトピー素因とは本人や家族が気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎になったことがある。または、ほこり・ダニ・食物などに対するアレルギー抗体を作りやすい体質を持っていることを言います。原因は遺伝的な体質と環境の2つが原因といわれています。
アレルギーだけで起こっているわけではありません。ひとつの要素だけで症状が出ているとは限りません。例えばダニ、ホコリ除去などひとつの要素に対してだけ治療をしても、必ずしもアトピー性皮膚炎がよくならないのはこういう理由からなのです。
かゆみの強く、ミミズ腫れのように地図状になるできものが数分~24時間以内にできて消えていく皮膚疾患をじんましんと言いいます。4週間以内に治るものを急性じんましん、それ以上続くものを慢性じんましんと言います。
じんましんの原因は、様々あり、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染などです。検査としては皮内反応や血液検査IgE RAST法、一般血液検査等を行います。しかし、慢性じんましんでは原因が特定できないことが少なくありません。じんましんの治療には抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などを使います。
思春期になると男女とも男性ホルモンの分泌が活発になり、その影響を受けて皮脂の分泌が盛んになります。また、毛包周辺の角層が厚くなり、毛包が詰まりやすくなります。そのためにニキビは思春期にできやすくなり、成人すると自然によくなっていきます。いわゆる「青春のシンボル」といわれるのはこのためです。
また、思春期以降のニキビは女性ホルモンと男性ホルモンのバランスの崩れが一因とされ、思春期のニキビとは異なります。主に男性ホルモン、毛穴の角化 、皮脂の分泌亢進 、ニキビ菌の増加 が原因です。当院ではニキビ菌を抗生剤で抑制させ、角化や亢進を押さえる外用剤を使用します。
水虫は、白癬菌というカビが足の皮膚や爪に入り込んで発症する疾患です。足底の場合は抗真菌作用を有する塗り薬をきちんとつければ、良くなります。しかし爪白癬や角層がかなり厚くなっている場合は飲み薬を飲まないと治りません。飲み薬は全ての白癬に有効ですが、肝臓に負担がかかることや他の薬剤との飲み合わせの問題があるなどの欠点もあります。爪水虫には飲み薬しか効果がありませんでしたが、近年かなり有効な爪白癬専用の外用剤が発売され、治療の幅がひろがっております。
巻き爪(陥入爪)とは爪の端が皮膚に食い込んでいる状態です。特に足の親指によく見られます。感染を起こすと赤く腫れ上がり、時に赤い肉が盛り上がった状態になります。原因として爪質、靴が足に合わない、深爪、爪水虫があります。赤く腫れた時は、抗生物質の内服や外用薬で治療しますが、感染を繰り返したり、疼痛が続く場合は、クリップによる爪の矯正(健康保険適応なし)や手術(健康保険適応)を行うこともあります。
いぼは主にヒトパピローマウイルスという病原菌によっておこる病気です。全身のどこにでも発生します。いぼウイルスが目に見えないほどの小さな皮膚の傷から侵入し、数週間~数年間の潜伏期間を経て、目に見えるような大きさのいぼに成長します。放置すると、どんどん大きくなったり、いぼの数が増えてゆくことがあります。
液体窒素にて凍らせて治してゆきます。痛みの強い場合はサリチル酸塗布、フェノール外用などをおこないます。
唇やその周囲に小さな水ぶくれができるによる病気です。幼いころに単純ヘルペスウイルスに感染する場合が多く、一度感染するとヘルペスウイルスは神経節で生き続けます。抵抗力が弱った時に神経を伝わって皮膚や唇に出てきます。この時、ピリピリとした違和感から始まり、患部が赤くなり、水ぶくれが出現し、最後にかさぶたになって治ります。
口唇ヘルペスは再発性で繰り返します。治療は抗ウイルス薬を使用します。治療は早ければ早いほど効果があります。
つづらごです。水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって発症するため、水痘を経験した人にのみ起こります。
片側の神経支配領域に神経痛様の痛みを伴った小水泡が帯状に生じます。顔にできると顔面神経麻痺、内耳の障害によるめまい・耳鳴りなどが起こることがあります。
問題は痛みで帯状疱疹後疼痛として長い間痛みが残ってしまうことがあります。早期に治療することが大切で、これにより帯状疱疹後疼痛の発症頻度を少なくすることが可能です。
皮脂が分泌され、この皮脂が紫外線や癜風菌によって変化し、その結果引き起こされた炎症を脂漏性湿疹といいます。頭、顔、腋窩によくできます。
頭にできると、フケが多くなり、いわゆるフケ症の多くは脂漏性皮膚炎/脂漏性湿疹と考えられています。基本的に慢性の病気で自然治癒するまでに時間がかかります。原因・誘因にはカビ菌、ストレス、ビタミン不足などがあります。治療は主に塗り薬を使用します。カビに効く外用薬、副腎皮質ホルモン外用薬などです。ビタミン内服を行うこともあります。
尋常性乾癬とは赤い発疹の上に、フケのような皮むけが起こり、それがポロポロ落ちる慢性の病気です。尋常性乾癬はよくなったり悪くなったりを繰り返します。痒いこともあります。全身どこにでもできますが。尋常性乾癬の治療は外用治療が中心になります。副腎皮質ホルモン外用薬やビタミンD外用薬を使用します。症状が重い場合は、内服治療(免疫抑制剤やビタミンA誘導体)、光線治療などを行うことがあります。最近は経口ホスホジエステラーゼ 4(PDE4) 阻害剤も発売され乾癬の新しい治療選択肢になると注目されています。
頭にコイン大の丸いはげが生じる疾患です。脱毛部は一ヶ所とは限らず、多発することもあります。時には頭全体の毛が抜けたり、全身の毛が抜けたりすることもあります。毛包を標的にした自己免疫疾患と考えられています。
かつては、精神的ストレスが主な原因と考えられていました。確かに何らかのストレスがかかった時に脱毛が始まる人もおられますが多くはストレスと関係無く発症します。脱毛斑の少ない場合は、ほとんどが治ります。しかし、広い範囲に脱毛している場合は長引き、数年以上にわたって続くこともあります。
治療法は、ステロイドや塩化カルプロニウムなどの外用、ステロイドの局所注射、液体窒素による脱毛部の冷却、ステロイドの内服などをおこないます。
ほくろは様々なタイプがあります。黒色の盛り上がりがあるもの。そのほかにも、盛り上がりがなく黒い平坦なタイプ、黒くないタイプ、生まれた時からある黒く広いアザのようなタイプなどがあります。体中の全ての場所にできます。間違いやすい他の病気には、老人性いぼ、シミ、そばかす、炎症後色素沈着、血腫などがあります。
ほくろを診断する上で極めて重要なのは皮膚癌ではないかどうかを見極めることです。例えば悪性黒色腫(ほくろの癌、別名:メラノーマ)、基底細胞癌などです。当院ではダーマトスコピーを使用し、悪性の疑いがある場合は、高次医療機関にご紹介させていただきます。
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